調停委員とは

調停委員とは、離婚調停のときに、中立の立場で立ち会って、あなたや相手の主張を聞いて、アドバイスしてくれたり、時には相手を説得してくれたりする人のことをいいます。調停員ともいわれます。

よくある誤解に、調停委員は、弁護士といった法律のプロがしているというのがありますが、全然そんなことはありません。もちろん、弁護士や司法書士や行政書士が調停委員をしている場合もありますが、調停委員の多くは法律の素人です。

とはいえ、調停委員という立場で普通は勉強はしていますので、全くもって素人ということもありません。調停委員を長くやっていれば、経験を重ね法律のプロなんかよりよっぽど解決へ向けてのアドバイスができるような人もいます。

さて、どんな人が調停委員になっているかというと、ほんと色々です。たとえば、学校の校長や教頭、弁護士もいるでしょうし、その地域での有識者、地域の長老みたいな人だっています。

調停委員の年齢は、やはり人生経験が豊富な年配の人が大部分です。

離婚調停においての調停委員は、男性が1人と女性が1人の合計2人です。
子供の引渡しの調停などのような、審判が下りる乙類調停といわれるものに関しては、1人ということもあるみたいです。

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調停委員の役割

離婚調停において、調停委員はどんなことをしてくれるのかというと、当事者の話を交代で聞いて、その聞いたことを相手に伝えてくれます。

というのも、離婚調停は、基本的に当事者を同時に集めて話をするというものでなく、交代で進められるからです。とはいえ、双方が希望したら、同時に進行することも可能です。

交代で話を聞いてくれるので、調停委員にこの話は相手に伝えないで欲しいといえば、そうしてくれます。

他にも、調停委員の役割は、話を聞いてくれるだけでなく、相場等のアドバイスをしてくれることもありますし、解決案を出してくれることもあります。なので、相手を説得してくれる調停委員もいます。

なかには、カウンセリングみたいにじっくり話を聞いてくれる調停委員もいます。

なので、調停委員の役割としては、自分と相手の主張を聞いて相手に伝えてくれ、意見を調整してくれると考えたらいいと思います。

調停委員の真実

調停委員は、中立の立場でお互いの話をじっくり聞いて、その意見を調整し、合意にもっていく重要な役割を担っていますが、調停委員も人間なので全員が同じということはありません。ということは、アタリハズレがあるということです。

最高の調停委員は、全く偉そげな態度を取らず、なんでもないような話までじっくり聞いてくれ、適切な知識を持って色々なアドバイスもしてくれ、お互いの意見を調整して、時には合意案まで出して当事者双方にいいように説得してくれます。

もちろん、このような調停委員が必ずしもあなたにとっていいとは限りませんが、こういうタイプが調停を成立させるには一番いい調停委員でしょうし、ストレスもたまりません。

でも、もちろん、そんな調停委員ばかりではありません。

例えば、自分の意見を押し付けまくる調停委員。相手の肩ばかり持つ調停委員。とにかく偉そげな調停委員。人の話を全く聞かない調停委員。自分は全く悪くないのに説教ばかりしてくる調停委員。 何もしてくれないいていなくても一緒の調停委員。相手の弁護士と仲が良くて、一緒になって攻撃してくる調停委員。諦めが早くて、めったやたら調停を不成立で終わらせようとする調停委員。

これらは、実際にいた調停委員です。もちろん、こんなダメ調停委員ばかりではないでしょうが、とにかく、調停委員にはあたりはずれがあるということです。それどころか、最低限の知識すら持っていない調停委員があまりにも多いです。

なので、調停委員の「法はこうなっています」的な話は怪しいもんなので、すべてを信じないようににしてください。

ひとつの傾向として、70歳を過ぎているようなおじいちゃん調停委員はよく説教します。

もし、運悪くハズレ調停委員になってしまっても、その調停が終わるまでは調停委員が変わることは基本的にありません。ただ、ごくまれに何らかの事情で途中で調停委員が変わることもあります。

ハズレ調停委員にあたると、離婚調停自体がストレスのたまり場になります。でも、仮に偉そげでも上手にまとめてくれたりするなど、いい点はあるかもしれませんので、悲観しないでください。

とはいえ、上記のようなハズレ状態に3つ以上該当するようなクズ調停委員に当たったら、あきらめましょう。もちろん、クレームをいうことはできますが、裁判所は閉鎖的な組織なので、クレーム程度では何も変わらないことが多いでしょう。

まあ、調停委員はきちんと中立でじっくり話を聞いてくれ、上手に話をまとめてくれるなんて理想は持たないほうがいいでしょう。

ちなみに、標準的な調停委員は、「とりあえずは中立で、ある程度は話を聞いてくれ、時には説教され、法律的な案もたまには提供してくれ、一応説得はしてみます」というような感じです。

実態として、調停委員の立場上、積極的に説得をしてくれる調停委員はあまりいないようです。そうしてくれるとまとまりやすいのは確かなんですが…

とにかく、調停委員には当たり外れがあり、調停委員の実力やスタンスによっては、調停がうまく合意するかしないかある程度影響されるということです。

そして、調停委員に不満を持っている人がとても多いというのも事実です。

これが調停委員の実態です。

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