行政書士とは

行政書士とは、市区町村役場や都道府県庁などの官公署の書類を作成でき、またそれらの書類作成に付随するような相談をしてくれる法律の専門家です。別名「街の法律家」などといわれています。

この行政書士の作成できる書類は、非常に多岐にわたり、その中でも事実証明書類というものがあります。これは、その事実があったということを証明する書類なのですが、簡単に言うと、契約書や合意書などがそれに当ります。

この離婚関連で言えば、離婚協議書や慰謝料請求内容証明作成、公正証書の作成代行などが行政書士に依頼できる分野になります。

しかし、裁判所に提出する書類は、司法書士と弁護士でないと、依頼を受けて作成したらいけないことになっています。つまり、行政書士は親切で値段もリーズナブルなのですが、離婚調停の申立書などの裁判所の書類を作成することはできません。

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離婚調停と行政書士

離婚調停において、行政書士にできることといえば、上記に記載しているとおり、基本的に直接できることはありません。

しかし、離婚調停の行われている期間中に、調停委員の話を聞いて少し頭を冷やして離婚調停とは別の時間で夫婦で話し合いをしたりして、合意が形成されることもあると思います。

こんな時、まだ1箇月も先の調停まで待って、わざわざお互いが平日に休みを取って、調停に臨むのも無駄があると思います。

そんな時は、離婚調停を取り下げて、その合意内容を行政書士に依頼して、公正証書にしてもらいましょう。そうすれば、その分再出発が早くなりますし、戸籍にも調停離婚でなく協議離婚として処理されます。

他にも、行政書士は事実証明書類を作成することができます。これには、今までの経緯や財産をまとめた書類もあるでしょう。こういった書類の作成をしてくれる行政書士もいますので問い合わせてみましょう。

こういう書類、ご自分できれいに作るには意外に難しいものがあります。この事実証明書類を、本人がどう活用しようと自由です。なので、これを調停委員に指し示したりして、事情をうまく説明する際の説明資料として活用することもできます。

ただし、前述のとおり行政書士は、裁判所に提出する書類は作成することができませんので、裁判所の宛名などは記載してくれることはないでしょうし、調停委員に見せるだけでなく提出するというのであれば、作成してくれない行政書士はたくさんいると思います。

とにかく、考え方次第では、行政書士も活用することはできるということです。

行政書士と司法書士の両方を持つ法律家

前述までに記載しているとおり、行政書士は、直接離婚調停に関わることは難しいものがあります。しかし、世の中には、行政書士と司法書士の両方の資格を登録して業務をしている法律家がいます。

その人に頼むのであれば、行政書士と司法書士の両方の書類を作成してくれます。つまり、行政書士では作成してはいけない裁判所に提出する書類を司法書士の資格で作成し、司法書士では作成してはいけない事実証明の書類を行政書士の資格で作成することができるわけです。

つまり、離婚調停の申立書を作成してもらうだけでなく、説明資料やそれどころか、調停委員や裁判官に提出する書類だって作成できるわけです。書類で強力サポートができるわけです。

費用も弁護士に頼むより安いですし、離婚調停が不成立になって、離婚訴訟に移行する場合も、訴状作成という形でのサポートもしてくれます。

ただ、もちろん、弁護士みたいに調停に同席することは、家庭裁判所が認めてくれないとできませんし、離婚訴訟に移行した場合でも、弁護士みたいに法廷に代理人として立つことはできません。

なので、あくまで離婚調停の範囲で何とか費用を抑えながら解決したいという人には向いています。余談ですが、弁護士の中には、さっさと離婚調停を終了させて離婚訴訟をしたいという人はたくさんいます。

だってその方が金になるし、めんどくさくないからです。弁護士は、書面を活用して本人にがんばってもらい離婚調停でなんとか終わらせようと努力する人はほとんどいません。

なので、行政書士と司法書士の両資格を持つ専門家に依頼するのは、離婚調停でなんとか終わらせたいという人であればうってつけかもしれません。もちろん、最初から離婚訴訟がしたいなら、断然弁護士ということになります。

と、行政書士と司法書士の両資格を持つ人はなかなか便利だと書きましたが、ここまでの依頼を受けてくれる行政書士と司法書士の両資格を持つ法律家は、あまりいないと思うので、探すのが大変かもしれません。

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