動産執行とは
動産とは、形のある有体物のうち、家や土地などの不動産を除いたものをいいます。
動産は、家具や家財道具だけでなく、現金や車、ペットなんかも動産です。
動産執行とは、この動産を差し押さえる強制執行のことをいいます。
ですが、自動車は自動車競売、預金などは債権差押えということになりますので、動産執行とは家具や家財道具の差押えのことと考えてください。
ちょっとイメージしてください。昔、ドラマなどで見たことないでしょうか?家においてある家財道具に赤い札(赤札)が貼られていいる場面を。そうです。それが動産執行というものです。
と聞けば、なんてすごい強制執行なんだと思うでしょうが、現在は、差押えが禁止されているものもたくさんありイメージとかなり違います。まあ、詳しくは、以下に読み進めていけば書いています。
ということで、このページでは、家具や家財道具を差し押さえる強制執行について書いています。
動産執行の仕方
動産執行の仕方は、差し押さえる家財道具などがある家や場所を管轄する地方裁判所の執行官に対して申立を行います。要するに、地方裁判所で申立をするわけです。たいていは、執行官室というものがあったりしますので、そこに申立をするわけです。
そこに、申立書・債務名義(執行文付き)と送達証明書、執行場所を記した位置図(地図のコピーなど)、あとは手数料である費用を持って行って申立をします。申立書は、執行官室にたいていはあります。なので、それをもらって聞きながら作成すればいいでしょう。
他にも必要なものがあるかもしれませんので、直接窓口で聞きましょう。
動産執行の費用
動産執行の費用は、予納金としてあらかじめ収めます。裁判所によってかわってきますが、2万円~4万円くらいになるでしょう。
で、実際にかかった費用を予納金から差し引いて、残金は返還してくれます。
もし、何も差押えするものがなければ、執行官費用(2500円)と交通費(裁判所からの距離に応じて変わる。1キロ37円ほどで計算される。地裁ごとに異なる)だけになる。
差押えが成功したら、売却などの手数料がかかる。とはいえ、以下に記載していますが、普通の家庭においては、ほとんど執行不能に終わるので、執行不能であれば執行官費用と交通費くらいしかかからない。
もし、家財道具の差押えが成功したら、その部分から費用は充当されます。
というよりも、順位的には、費用から優先的に割り当てられます。
動産執行の流れ
動産執行の流れですが、申立が受理され、予納金を収めると実行されます。
まずは、執行官と相手が居そうな日時を打ち合わせをして、その日時になったら、執行官が直接その現場(家など)に行きます。この差押えに立ち会うこともできますが、相手の玄関から先には執行官しか入れません。
で、実際に執行官が行って、もし、誰も居なければ、再度日時を決めて伺うこともできますし、その家の表札がある場合であれば、留守の場合でも、「執行官が動産の差押えに来た」旨の手紙を入れて帰る場合もあります。
この手紙はものすごく心理的圧迫になるので、この為だけのために、執行不能になることを前提に動産執行を申し立てる会社や人も居ます。
何も差押えするものがなかった場合は、執行不能調書が作成され、動産執行は終了します。
差押えが成功した場合は、そのもを競売にかけ、その代金から弁済がされます。
動産執行(家具・家財道具の差押え)の現実
家具・家財道具に対しての強制執行(動産執行)は、じつは、一般家庭であればほとんど執行不能に終わります。
なぜかというと、ひとつに差押禁止財産というものがあります。民事執行法第131条に記載されていますが、東京地方裁判所民事執行部が公表している差押えできないものの基準は以下になります。
・整理タンス
・洗濯機(乾燥機付きを含む) ※
・ペット
・洋タンス
・調理用具
・食器棚
・食卓セット
・冷蔵庫(容量を問わない) ※
・電子レンジ(オーブン付きを含む) ※
・瞬間湯沸し器 ※
・ラジオ ※
・テレビ(29インチ以下) ※
・掃除機 ※
・冷暖房器具(但し、エアコンを除く)
・エアコン ※
・ビテオデッキ ※
(※印の物が2点以上ある場合には一点に限る。)
これは、基準であって生活用品はほぼダメと考えてもいいです。
しかし、ちょっと見ると「なんだ2台目の32インチテレビは、差し押えできるじゃないか!!」という感じで、以外に差押えできそうな気がします。でも、無理なんです。
なぜかというと、そこで登場するのが動産執行における2つの壁です。
1.占有認定の壁。
これは、誰の持ち物か分からないということです。確実にその人専用の部屋と分かる部屋などがあれば、その人の持ち物と推定することもできるようですが…
もし、エアコンや大画面テレビのように家族共有というようなものであれば、世帯主の持ち物として推定されます。ということは、債務者が世帯主であれば、差押えの可能性もでてきます。
2.換価価値の認定
差押えしたものは競売にかけて売れないといけません。売れないものは差し押さえても意味がありませんので執行官は差押えしません。
このひとつの目安として5000円以上で売れることが見込まれるというものがあります。ということは、テレビとかであれば5000円以上で売れそうですが、ほんのちょっとでも使用したら、執行官的にはその価値は10分の1以下になると考えてください。
と、ここまで踏まえて何が差押えできるかというと、債務者は世帯主で、リビングに60インチの買ったばかりのプラズマテレビなんかがあれば差押えできます。
家財道具に対しての強制執行は、こんなにハードルが高いのです。
なので、実際には、骨董や高級腕時計でないとなかなか差押えは難しいみたいです。
なら、「家具や家財道具の差押えは無理だけど、免許証が入っている財布の現金なら占有認定も換価価値の基準もクリアしているから、差押え出来るでしょう。」という鋭いあなた、なかなか目の付け所がいいです。
でも、ダメなんです。
もし、免許証の入った債務者の財布でもあれば、その現金だけでも差押えできたら、費用くらいは元が取れそうなものですが、なんと現金に関しては66万円を越える部分にしか差押えができません。そんな大金、普通は家においてねーよ!!
さらにさらに、動産は隠そうと思えばいくらでも隠せます。なので、やばいと思われたら、隠すこともできるのです。
上記のような理由から、一般家庭に対しての動産執行は、ほとんど執行不能に終わり、実効性がないのが現実です。一昔前は、ここまでの基準がなかったので、すごい効果のある強制執行でした。
とはいえ、申立をすれば、執行官が行きますので、心理的な圧力や嫌がらせとしては相当な効果があると思うので、差押えできたらラッキーくらいの気持ちで申し立てるのもいいかもしれません。
と、考えると、元が取れない以上は、自分で本を買って裁判所で手続方法を聞きながら申し立てるのが賢いでしょう。
「強制執行とはなに?」ということから動産執行を含めた様々な強制執行手続の仕方まで広く網羅しています。 不動産競売や財産調査の方法なんかも触れられている強制執行全体を網羅している決定版の本です。 もちろん、養育費についての強制執行の仕方や書式もあります。 |
調停調書や公正証書で、取り決めがされた養育費を滞納された場合の強制執行の仕方が記載されています。 書類の雛形もあり、この本を参考にして裁判所に聞きながら書類を作成したら、自分で養育費の強制執行の手続きができます。 |
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