預金・貯金に対しての強制執行(差押え)
預貯金に対しての強制執行とは、銀行などの金融機関に預けている預金やゆうちょ銀行の郵便貯金を差し押さえることです。普通預金だけでなく、定期預金や当座預金などいろんな預貯金から差押えをすることができます。
もちろん、銀行、信用金庫など、銀行の種類は問いません。
この預貯金に対しての強制執行ですが、給料を差し押さえる場合と同じくらい差押えがしやすいです。そして、給料差し押えと同じで、あなた1人でも以下に記載しているような本を購入してがんばればできます。
ただし、相手の口座が何銀行の何支店にあるかということを把握しておかないと、ちょっと面倒です。なので、離婚や別居する前に相手の口座を把握しておきましょう。
もし、相手の預金がどこにあるか分からない場合は、調停調書の場合は、財産開示手続というものがあるのですが、ひととおり自分でできる財産調査をした証明などがいるので、厳しいです。公正証書では、この財産開示手続はできません。
じゃあ、相手預金が分からない場合は、どうすればいいのか?というと、一か八か空振り覚悟で強制執行してしまうというのがあります。どういうことかというと、この銀行のこの支店に預金があるとめぼしをつけて強制執行してしまうわけです。
と、考えると、ゆうちょ銀行の郵便貯金を差し押さえるのが、空振り覚悟の預貯金に対しての強制執行としては王道と言えるでしょう。なぜなら郵便貯金は、たいていの人は持っていることと、普通の銀行であれば、支店があちこちにあります。
ですが、郵貯銀行はだいたい地方ごとにひとつずつしか貯金事務センターはありません。つまり、相手の住所地を管轄する貯金事務センターに強制執行をかけたらたいていは出てくるというわけです。
と、郵便貯金を差し押さえるのは基本なのですが、やはり一般の銀行預金も差し押さえたいところです。実は、ゆうちょ銀行の郵便貯金と普通の銀行の預金は同時に差し押さえることもできます。なので、一か八か両方に強制執行してもいいでしょう。
この辺のことについては、預金の差し押さえ虎の巻として記載しています。
と、いろいろ書きましたが、相手口座が分かっていれば、普通に何銀行のどこ支店か書けばいいので、預貯金は非常に差押えしやすいのは間違いないです。
ただ、いくら口座がどこにあるか分かっていても、その口座にお金がないと話になりませんが…
預金に対しての強制執行の仕方・方法
預金に対する強制執行の仕方としては、調停調書などの執行文の付いた債務名義や債権差押命令申立書などの必要書類を用意して、相手の地方裁判所の執行係に申立をします。
強制執行の申立の費用は、収入印紙で支払いますが、何を差し押さえるかによって変わってきます。なので、尋ねたほうがいいでしょう。
もう少し、詳しく書きますと、まず、調停調書や公正証書などの債務名義に執行文を付与してもらい送達証明書を出してもらいます。執行文の付与とは、分かりやすくいうと「強制執行できる」と記載された紙を債務名義に付けてくれることです。
どこでそれをするかというと、公正証書では、作成した公証役場で執行文の付与送と送達証明書を発行してくれます。
調停調書は、成立した家庭裁判所になります。
家庭裁判所の場合は、郵送でも執行文の付与と送達証明書を発行してくれます。
公証役場は、直接行くか、代理人に手続をしてもらう必要があります。
どちらにせよ、あらかじめそれぞれの窓口に必要なものを聞きましょう。
送達証明書というのは、相手の手元に債務名義の謄本が送達されたことを証明する書類になります。公正証書の場合だと、公正証書を作成した時に、同時に送達する公証人もいるようですが、基本的には後日手続をする必要があります。
この送達証明書を発行する手続をとると、相手方に債務名義の謄本が特別送達で郵送されますので、これだけでも心理的圧迫を与えることができ、養育費などは支払いを再開するケースもあります。
この送達証明ですが、相手が今はどこに住んでいるか分からない場合は厄介です。こういう場合は、相手の本籍地の市区町村役場で相手の戸籍の附票というものを取れば住民票所在地は出てきますが、若干ややこしいので、相手の住所が分からない場合は、専門家に依頼か相談する方がいいでしょう。
ということで、相手の住所は常に把握しておくか、あらかじめ送達証明と執行文の付与は済ませておくのがいいでしょう。
次に強制執行手続申立書類一式の作成をします。
債権差押命令申立書
請求債権目録
差押債権目録
当事者目録
第三債務者に対する陳述催告の申立書
の5つが自分で作成する書類になります。
債権差押命令申立書は、裁判所に滞納されたから差押えして下さいという内容の書類です。要するに、これがメインの申立書になります。メインといってもたいていは1枚物です。
請求債権目録は、今回差し押さえる滞納分の金額と申立にかかる費用の明細を記載した書類になります。
差押債権目録は、差押しようとしている給料や預貯金などを記載した書面です。
当事者目録は、債権者・債務者が誰で、銀行などの今回の差押え先である第3債務者を記載した書面です。
第三債務者に対する陳述催告の申立書は、銀行などの金融機関に対して、債権者の預金が存在するか、存在していた場合はいくらを凍結することができたかを銀行から回答してもらう書面になります。
この5つを作成すればいいのですが、なんかとっても難しそうな感じがすると思います。
ですが、そんなことはありません。預金を差し押さえるのであれば、書式は、大体の型はあるので、必要なことを記載していくだけです。そして、どの書類も基本的には1枚物です。
唯一のルールとしては、A4の用紙で作成するということでしょうか。
で、具体的にどんな書式になるのか?
その雛形やサンプルは?
ホームページ上では記載しにくいので、以下のような本を購入してください。
それには、強制執行とはということや、必要書類の作成の仕方や書式まで載っていますので、1冊購入して書類を作成してみてください。
そして、とりあえずできたものを地方裁判所の執行係窓口に持って行って相談してください。
たまには偉そげな人もいますが、基本的に親切に教えて訂正してくれます。
それを踏まえて修正し強制執行の申立をすれば、弁護士や司法書士に頼まなくても、1人で十分、給料や預貯金であれば差押えすることができます。
これで、ン万円も浮きます。司法書士はともかく弁護士に頼めば15万くらいは当たり前に取られますので、本1冊買って自分でやれば15万円の仕事をしたのと同じです。そう考えたら本の購入費用や作成の手間なんかは苦にもならないはずです。
といっても、依頼したら手間がかからないのと独自のノウハウも持っていますので、そういう利益を得ることはできます。
そして、養育費の差押えに関しては、これが一番おすすめ。
調停調書や公正証書で、取り決めがされた養育費を滞納された場合の強制執行の仕方が記載されたマニュアルです。
書類の雛形もあり、このマニュアルを参考にして書類を作成したら、自分で養育費の預貯金・給料の強制執行の手続きができます。
慰謝料等にも応用可。 素人が手続することを考えて書かれており、この詳しさは他にはありません。これで駄目なら、あきらめろレベルですよ。
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